HAIKU日本大賞 2019冬の句大賞発表

HAIKU日本2019冬の句大賞 金賞

ヨガマット抱えて寒き日なりけり

[ 神奈川県藤沢市 本郷智女 ]

(評)ヨガはシェイプアップ、アンチエイジング、精神統一と目的は様々ですが、ブームを繰り返しながら長年親しまれています。ひと通りのトレーニングを終えて充足感で満たされているはずなのに、掲句にあるのは「寒き」。寒いのは胸の内なのでしょうか。「日なりけり」とした助動詞の連語の下五がしみじみと作者の心情を語っています。

銀賞

ブルースの流れる路地や花八つ手

[ 神奈川県鎌倉市 村本和哉 ]

(評)「花八つ手」は初冬の季語で、白く細かい花が丸く集まっています。数少ない冬の花で、庭先や路地に目立たずそっと咲いています。「ブルース」の調べと「花八つ手」の取り合わせの一句。重く沈んだ「ブルースの流れる路地」のひとところにだけ咲いた花。作者のセンスが光る粋な作品。闇の中に点った灯りのように真っ白な花が浮かび上がります。

銅賞

初夢をすっかり忘れ茶漬飯

[ 愛知県岡崎市 岡田修平 ]

(評)一年の運勢を占おうという「初夢」。忘れてしまうと少し惜しまれるものですが、「すっかり忘れ茶漬飯」と作者は全く気にも留めていません。この屈託のなさの表現に俳味が感じられます。おぼろげに覚えていたはずの初夢を結局は思い出せないまま・・・。それならば、もう「すっかり」忘れてしまおう。「茶漬飯」をかき込む作者の姿が目に浮かびます。

友見舞ふ重き戸を引く年の暮

[ 三重県松阪市 谷口雅春 ]

(評)古風な作風の中に、「重き戸を引く」の流麗な措辞が効果的です。近年はサッシの戸口がほとんどで昔のような木戸の重さはありませんが、作者の感性がそう思わせたのでしょう。「年の暮」の人混みの街を縫うようにして駆けつけた友への見舞い。扉の前に立つ作者の心情を「重き戸」が十二分に語っています。

煤逃や若作りして街にゐる

[ 大阪府大阪市 清島久門 ]

(評)切れ字の代表格の一つ、間投助詞「や」を用いた一句。切れを作ることで感情や情景が省略され、そこに余韻と情趣が生じます。「煤逃げ」は、煤払いの間どこかへ行ってしまうこと。家長たる者が新年のための行事を嫌がって遁走してしまう。しかも「若作り」して・・・。俳味のある作品に仕上がっています。

おでん熱し通天閣のガード下

[ 熊本県熊本市 山上賢四郎 ]

(評)「通天閣」のある新世界にはジャンジャン横丁などの賑やかなスポットが存在しています。混沌とした下町風な一角には、おでんなどの屋台が立ち並びます。再開発が進む中、今なお人々に愛され続けている変わらないものがあります。食い倒れの大阪ならではの独特の楽しさや安心感が伝わってきます。

凡人というニンゲン生きて初日

[ 熊本県八代市 柳武久 ]

(評)この句は十七音ですが句跨りの一句。凡人という片仮名の「ニンゲン」を登場させ、定型のリズムを崩してまで言いたかったことが作者にはあります。客観視すればするほど見えてくる自分の本質。季語「初日」だからこそ、十四音が活きています。「凡人というニンゲン」を生き、自らを見つめる境涯俳句となっています。

<秀逸句>

初電話時差待ちロシアへとつなぐ

[ 北海道函館市 庭田麻樹 ]

(評)たとえ旅したことはなくとも、「ロシア」という国のその風景を思い浮かべることができます。日本とロシアの時差は最大で7時間です。「ロシア」という三音が入ることで情景がはっきりとし、「初電話」の相手先を感じ取ることができます。一句を成功へと導いたと言えるでしょう。

孫来るや得意のかるた持参して

[ 青森県黒石市 福士謙二 ]

(評)「かるた」の代表格は小倉百人一首の歌がるたで、最近はスポーツ感覚的な競技に生まれ変わっています。孫持参のかるたは郷土かるたやアニメのものなど可愛いものでしょうか。めきめき腕を上げた孫の姿が目に浮かびます。孫の得意げな表情と、それを見守る作者の暖かい眼差しが微笑ましい一句です。

初雪や妻の声まだ女学生

[ 宮城県柴田郡 夜叉王 ]

(評)「初雪」には、見る人を子どもにしてしまう魔法の力があります。この冬初めての雪を嬉しそうに知らせる妻を詠んだ一句。「まだ女学生」とは、当時のことを作者はまだくっきりと心に留めているということ。「初雪」と「女学生」が呼応し、瑞々しさが心に響いてくる一句です。作者の妻への変わらぬ愛情が伝わってきます。

淋しさも白き毛布にくるみけり

[ 埼玉県朝霞市 冬椿 ]

(評)「淋しさ」と「白き」。敢えて使った感情の言葉と形容詞の連体形が効果的です。俳句ではあまり使わない方が良いと教えられる約束事を破って、詩情豊かに仕上げています。柔らかい語感の「くるむ」が、断定の切れ字「けり」によって強調され作者の思いが伝わります。どうすることもできないもどかしさを「くるみけり」の下五の動作に預けた一句。

妻抱く室咲といふ未来かな

[ 埼玉県所沢市 内野義悠 ]

(評)「室咲き」とは、春に咲く花を室に入れて早咲きにさせたものです。自分たちの手で育てた花は愛おしい。室咲きならば、尚のこと。未来を見せてくれている花は、この平穏な日々が続く証であるかのようです。「妻抱く」と置いた上五に作者の感性と妻に対する想いが感じられます。

冬蝶の風には乗れぬ重さかな

[ 千葉県我孫子市 八川信也 ]

(評)どうにかして冬まで生き残った「冬蝶」の弱々しく儚げな姿が伝わってきます。寒さが強まるにつれ、力も無くなりやがては飛べなくなってしまいます。「重さ」は命を表現しているのでしょうか。「重さかな」の言葉に託された想いが句に深みを出しています。

寒月や一人飛び乗る最終便

[ 東京都狛江市 中田潤 ]

(評)限りなく冴え渡る空に浮かぶ「寒月」は、見る人に覚めた思いを届けます。まさに間一髪で最終便に乗り込んだ姿に、「寒月や」の季語の斡旋が絶妙です。月光のもと、ひとりの人間の姿をさらけ出す「寒月」。その輝きは、心をも見透かすように鋭い。“孤高の美”を本意とする「寒月」が、最終便に飛び乗る作者の心の内まで浮かび上がらせています。

弛みなくめぐる地球や冬至来る

[ 神奈川県相模原市 あづま一郎 ]

(評)今も、そしてこれからもずっと季節を繰り返しつつめぐる地球を「弛みなくめぐる」の措辞で表わしました。梅を愛で、桜を追い、青葉を目にしたかと思うと照りつける太陽。紅葉も終わると師走が訪れます。めまぐるしく過ぎていく地球にとって、今日は一番日の短い「冬至」。湯船に浮かべた柚子がくるくると回っています。

米寿とて朱唇清しく初鏡

[ 神奈川県相模原市 藤田ミチ子 ]

(評)「初鏡」は、新年になり初めて化粧をすること。しっとりとして艶やかな情感のある一句です。年始客を迎えるためか、家族揃っての初詣か、化粧の最後に引く口紅。その母の姿は清々しくもあるという作者。新年を一緒に迎えられた感謝と喜び、母への愛情が読み手の胸に届きます。

天動説信じてやまぬ室の花

[ 神奈川県相模原市 渡辺一充 ]

(評)地球が宇宙の中心であるという「天動説」。古代ギリシャの天文学者プトレマイオスの説です。「室の花」は、梅、桃、桜、菜の花と様々です。花の少ない冬季に心を楽しませてくれます。春を信じて咲く「室の花」と、上五中七の措辞が“信じる”という言葉でしっかりと繋がっています。信じるという事の尊さを説いた作者の感性が発揮された独創性のある一句。

風の道冬木に宿る力瘤

[ 静岡県湖西市 市川早美 ]

(評)風の通る道筋に凛と立つ木。葉の落ちた銀杏か欅の古木でしょうか。この句は自然の有様を詠んだ叙景句であり、目に触れたものを即興的に吟じた嘱目吟でもあります。客観的な表現を持って「冬木」を詠み、動と静の調和がすばらしい一句となっています。「冬木」という街の一点の姿が、「風の道」で大きな広がりを見せてくれます。

音もなく恋終わらせて寒椿

[ 静岡県富士市 城内幸江 ]

(評)「音もなく」で、雪の上に静かに落ちる「寒椿」の姿を思い起こします。この五音が読み手を釘付けにします。紅と白の美しい世界を醸す叙情豊かな作品。「寒椿」の季語によって、恋人と決別した一人の女性の凛とした姿を描き出しています。心の中では平静ではないかもしれない様を「寒椿」に寄せて淡々と表現されています。

またひとつふたつと笑ふ冬の梅

[ 兵庫県西宮市 幸野蒲公英 ]

(評)作者の素直で素朴な視点があります。「笑ふ」には、作者の希望が感じられます。飾らない言葉に、読み手はそれぞれの感情を重ねることができます。掲句は、擬人法によって「冬の梅」のしおらしさを詠んだ一句。ひらがなの多い表記が丸い花びらの梅の表情によく合っています。冬の寒さの中に咲いた梅が、春を待つひたむきさが詠み込まれています。

デコイチの鋼の音や枯木立

[ 兵庫県尼崎市 大沼遊山 ]

(評)D51(デコイチ)。その名を聞いて、胸をときめかす鉄道ファンは多いはず。今も観光列車としていくつかの路線を走行しています。この句の良さは「鋼の音」と「枯木立」の取り合わせの妙にあります。切れ字「や」によって句が引き締まり、格調高い一句に仕上がりました。「デコイチ」の重量感のある車体と煙を吐くその姿と共に、「枯木立」を抜ける時の「鋼の音」が耳に届きます。

すきだった本を縛った。あ、初雪

[ 山口県山口市 鳥野あさぎ ]

(評)読まなくなった本。あんなに好きだったのに・・・。と思うことがあります。自分の中の何かが変わり、また次の出会いがあります。作者は、会わなくなってしまった人のことも思い出しているのでしょうか。句読点が作者の微妙な心境を表し、「初雪」で詩情豊かになりました。

何するも平成最後去年今年

[ 愛媛県西条市 渡辺国夫 ]

(評)「去年今年」は、古い年が去り新しい年が来るという意味ですが、止めることのできない時の流れを感じさせます。1989年1月8日に始まった平成の最後が現実味を帯びてきました。改元の日を間近に、「何するも平成最後」の措辞を取り合わせました。「去年今年」の下五によってこその深みが感じられる一句。

<佳作賞>

音を聞きたくてストーブ付けている

北海道虻田郡 マサ吉

寒卵ぶつきら棒に立ちてをり

北海道枝幸郡 俳句の枝幸十佐

冬まつり六指で啜るゴッコ汁

北海道札幌市 鎌田誠

クリスマスおゆうぎかいがたのしみだ

北海道函館市 庭田健吾(5歳)

凍る窓閉じ込められし猫と人

岩手県花巻市 望見

坂道や退職祝いの雪明り

岩手県盛岡市 蘭延

うたたねとこたつの今をひとり占め

宮城県仙台市 繁泉祐幸

珈琲のミルク広がる雪の里

秋田県秋田市 小林万年青

蓬莱の御代を寿ぐ酒の宴

山形県東置賜郡 高梨忠美

山頂の蔵王の樹氷静かなる

山形県山形市 金谷ゆかり

クリスマス長い靴下揃えあり

茨城県つくばみらい市 池端絹子

新年を射んとばかりの第九かな

茨城県土浦市 株木謙一

世の中は〇も□もある雑煮餅

茨城県常陸太田市 舘健一郎

耳鳴りや壁の向かふに風凍る

茨城県ひたちなか市 谷兼舟

冬夕焼待つ人もなく立つてゐる

群馬県安中市 雨水貧暮

冬服のイルカの調教師の彼女

群馬県伊勢崎市 白石大介

虎落笛ふがひ無き己にくりかへし

群馬県高崎市 遠藤幸子

更地には杭が一本もがり笛

埼玉県上尾市 くもがくれ

泣き尽くし笑い尽くして年暮るる

埼玉県行田市 春駒

淑気満つ八方睨み雲龍図

埼玉県さいたま市 加藤啓子

初雪の平成の世に姪生まれ

埼玉県さいたま市 子卯月

しづみゆく朱肉の柔さ冬ぬくし

埼玉県所沢市 内野義悠

持ってけと軍手の放る葱の束

埼玉県吉川市 人見正

額づいて恵方に祈る大手術

千葉県市川市 田村さよみ

窓に映る空を磨いて師走かな

千葉県市川市 藤田真純

焼芋の焦げ目を剥がし舐り喰ふ

千葉県浦安市 三島閑

廃屋の隅に一りん福寿草

千葉県勝浦市 黒須静子

羽子つきに慣れしか雀戻りきし

千葉県船橋市 川崎登美子

ゲレンデであなたの恋が加速する

千葉県山武市 天乃貴月

あなたとの長き約束春隣

東京都江戸川区 大舘圭子

椅子埃主人失くして冬の暮

東京都葛飾区 星野真紀子

年越してアムロス治り嵐去る

東京都品川区 藍太

初雪や見慣れた街も見違えて

東京都世田谷区 鈴木義久

争ってストーブ囲んだ昼休み

東京都豊島区 潮丸

はからずも見るや中空冬の月

東京都練馬区 符金成峰

どんどに放り込め嫉妬も失恋も

東京都文京区 遠藤玲奈

鏡餅据えて父権の復活す

東京都青梅市 渡部洋一

2六歩8四歩さてと堀炬燵

東京都清瀬市 林優

新年の空気切り裂く矢を放つ

東京都八王子市 春遊子

冬帽子立食ひ蕎麦を啜りをり

東京都八王子市 村上ヤチ代

白髪の声凛として寒稽古

神奈川県足柄上郡 吉田安彦

富士山に日本一の冬帽子

神奈川県海老名市 一徹

初日の出といふ幕開きそこにゐる

神奈川県鎌倉市 青山あじこ

植木褒め猫ほめ帰る礼者かな

神奈川県相模原市 藤田ミチ子

初雪が冷えし手に降る誰の手紙

神奈川県茅ケ崎市 廣瀬順子

縁程に奥へ奥へと冬日入る

神奈川県茅ケ崎市 つぼ瓦

「生きとるか」海鼠のバケツ揺らしおり

神奈川県三浦郡 葉山さくら

初富士や稜線うかぶタブララサ

神奈川県大和市 素花

冬凪や小石すべらす浜辺かな

神奈川県横浜市 要へい吉

寒梅を活けて五体が澄みわたる

神奈川県横浜市 神田央子

新しき光の先の霜柱

神奈川県横浜市 熊倉忍

夜の底のぞき見んとす冬の月

神奈川県横浜市 侘助

反射光割れて煌めく初氷

神奈川県横浜市 古川智子

いろどりを訪ね集える冬牡丹

神奈川県横浜市 結

冬かもめ空の剥がれて散りしごと

新潟県新潟市 田代草猫

日は登りまた朝が来る新年哉

新潟県東蒲原郡 斑鳩

加湿器や欠伸より口あけにけり

新潟県南魚沼郡 高橋凡夫

耐えきれずしづりの刹那われも堕つ

石川県金沢市 Rey

三寒と四温が争い五感咽ぶ

福井県坂井市 加藤文洋

山眠る村の蕎麦屋の暖簾なく

山梨県大月市 坂本真史

カフェテリアの机におく福だるま

山梨県北杜市 内田篤哉

霜柱地球を少し大きくし

山梨県南アルプス市 こばやしかつお

道祖神添ひてふたりの雪月夜

長野県安曇野市 小川都

元旦に幾世のきしみ床柱

長野県安曇野市 七瀬遊蛙

名も知らぬ鳥と目が合う冬の庭

岐阜県岐阜市 洞口武雄

年の瀬や売り声高き四・九の市

岐阜県多治見市 樋口緑

徒に過ごすまじと初日出

静岡県伊東市 財津公江

寒空に人待つごとく立つポスト

静岡県浜松市 玉吉

冬晴れやカイトと和凧競いをり

静岡県三島市 酔月

源を皆で探せり隙間風

愛知県高浜市 篠田篤

冬休み懐かし友のクラス会

愛知県豊橋市 三河の太陽

凍蝶のかたわらを行く晴れ着かな

愛知県名古屋市 伊藤夕夏

正月や無事の一年飾るなり

愛知県名古屋市 西光客

神の座に日の当たりたる枯野かな

滋賀県湖南市 岡崎逹栗

手品師の取り出すやうに冬の蝶

滋賀県彦根市 馬場雄一郎

炭活けて人が人へと戻りけり

京都府木津川市 初霜若葉

オリオンを仰ぎて深き夜に立つ

京都府相楽郡 宇賀まちは

北山や大橋渡る間の時雨

京都府京都市 太田正己

CTの結果まつ猫春隣

京都府京都市 田久保ゆかり

降れば「雪」晴れれば「空」と手習い子

京都府京都市 吉川太郎

極上は冬の虹なり渡月橋

京都府与謝郡 真本笙

水仙の一輪逸る通学路

大阪府池田市 木りん

ところどころ日のさわぎゐる冬野かな

大阪府和泉市 小野田裕

ぴりぴりと空青く冬深みけり

大阪府和泉市 小野田裕

懸大根くぐり郵便来たりけり

大阪府和泉市 清岡千恵子

寒水や滴は透かす土のこぶ

大阪府茨木市 元祭

赤裸裸な部屋で数える除夜の鐘

大阪府大阪市 浅山幹也

秘め事を温めている毛糸玉

大阪府大阪市 上田禮子

あらそはぬ國に生まれて去年今年

大阪府大阪市 清島久門

庫裏に干す作務衣と大根七八本

大阪府大阪市 清島久門

待ち受けは双子の五歳牡蠣割女

大阪府大阪市 雛

盲たる師のまなざしや初写真

大阪府大阪市 李優紀

さざんかに思いをはせてとおる道

大阪府大阪狭山市 ひでみ

大寒に生まれし人の皺深し

大阪府泉南郡 藏野芳男

雑煮椀湯気の向こうに母想う

大阪府高石市 岡野美雪

宝恵駕籠の槍重々し天狗面

大阪府寝屋川市 伊庭直子

顔埋む母の形見のちやんちやんこ

大阪府枚方市 藤田康子

夢捨てて夢託す時おでん酒

兵庫県明石市 松岡高丘

保線夫の播州弁や寒の月

兵庫県尼崎市 大沼遊山

マフラーを解く一杯のココアかな

兵庫県尼崎市 大沼遊山

冬木の芽秘密を固く握つてる

兵庫県尼崎市 尼島里志

年用意ドンと雑巾走りけり

兵庫県尼崎市 尼島里志

城崎の霰集めて湯巡りや

兵庫県神戸市 一徳

画材にと少し歪みし冬林檎

兵庫県神戸市 平尾美智男

水平線に我は垂直大旦

兵庫県西宮市 渡部小凛

鶴来たりと友の電話の弾む声

奈良県奈良市 堀ノ内和夫

句にできぬことを景色に詫びて暮

和歌山県紀の川市 弾

登校の列ばらけたる初氷

和歌山県日高郡 忍冬

己を映す鏡向き鬼は外

和歌山県和歌山市 貴志洋史

水ごくと呑む寒鳩の獣めく

岡山県岡山市 森哲州

神様に合わせる顔の年初め

岡山県岡山市 ミクちゃん

子供らの温もりわけてわたの雪

広島県安芸郡 ありちゃんが

キラキラと降る雪知りぬ北の旅

広島県福山市 石崎勝子

寒鰤や絶品という二貫盛り

徳島県阿南市 白井百合子

トンネルの向こう側には新年が

徳島県阿南市 高田俊孝

忌のあきて鳥居をくぐるお元日

徳島県阿南市 深山紫

歳晩や農夫荒土に鍬入れる

徳島県徳島市 雪稜

着ぶくれて野菜かかえし友来る

徳島県徳島市 藍原美子

寒鰤の行商車恵比須丸

徳島県徳島市 有持貴右

用水の観音さまの冬衣

徳島県徳島市 笠松怜玉

初もうで神馬に想い念じけり

徳島県徳島市 河野章子

冬晴れやからくり時計ぽぽと鳴り

徳島県徳島市 島村紅彩

練乳を添えて届きし冬苺

徳島県徳島市 隶罐▲ヨ

宵戎ねえねえりんご飴買って

徳島県徳島市 山之口卜一

島つなぐ橋の高さよ冬うらら

徳島県徳島市 山本明美

幼鳥の遊具になりし寒桜

香川県仲多度郡 佐藤浩章

白猿の怒れるごとく枯芒

愛媛県伊予郡 松田夜市

落葉さりさり待合室の寄贈図書

愛媛県伊予郡 八神てんきゅう

農始めひと鍬打つと止められぬ

愛媛県松山市 宇都宮千瑞子

置き炬燵孫の形の穴のあり

愛媛県松山市 らつらつ

どんど焼き暖を取ってる消防士

福岡県北九州市 赤松桔梗

もの忘ることばを忘る返り花

福岡県福岡市 青木草平

日溜まりに母娘綾取り冬ぬくし

佐賀県唐津市 浦田穂積

五線譜を揺らし寄り添う寒雀

長崎県佐世保市 團俊晴

冬木の芽夢をつめこむ宝箱

宮崎県日南市 近藤國法

寒椿厳しい季節生い茂る

鹿児島県鹿児島市 有村孝人

冬凪や少女の胸に在る辺野古

沖縄県那覇市 成瀬敦

※俳号で応募された方は、原則として俳号で掲載させて頂いております。

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